平成筑豊鉄道と桜
2026年04月15日
平成筑豊鉄道と桜
久しぶりのHP更新です
しばらく更新していないと思っていたら、気づけば3年が経っていました。
弊社の最寄り駅は、平成筑豊鉄道の今川河童駅です。
その平成筑豊鉄道について、先月末、廃線が決まってしまいました。
国鉄時代には田川線として、日本の産業を支える重要な役割を担ってきた歴史ある路線です。
民営化後は1両編成となりながらも、地域の皆さまにとって大切な移動手段として親しまれてきました。
全盛期に比べると、現在は乗車率が3分の1ほどに減少し、設備の老朽化による経営難も以前から言われていましたが、実際に廃線が決まるとやはり寂しさを感じます。
これまで犀川までは乗車したことがありましたが、その先へはまだ行ったことがありませんでした。
そこでこの機会にと思い、先週の日曜日、天気も良く桜も見頃だったので、赤村の赤駅まで足を延ばしてみました。
赤村では沿線に桜が植えられ、まるで桜のトンネルをくぐるような美しい景色が広がっています。
赤駅から赤村役場を過ぎた先には、線路を見渡せる橋があり、そこからは桜並木の下を走る電車を見ることができます。
この日は満開の桜と電車の風景を写真に収めようと、多くの方が訪れていました。
赤駅から今川河童駅までの間には、油須原駅、源じいの森駅、崎山駅、犀川駅、東犀川三四郎駅、新豊津駅、豊津駅があります。
今回は一日乗り放題の「ちくまるキップ」(大人1,500円)を利用し、気ままに途中下車しながら巡ってみました。
まずは赤駅から油須原駅まで、線路沿いに続く桜並木を眺めながら歩きました。
春のやわらかな陽気の中、満開の桜が続く風景はとても美しく、ゆっくり歩く時間もまた贅沢に感じられました。
油須原駅は、九州最古の木造駅舎として知られており、とても趣のある駅です。
歴史を感じさせる佇まいが今も大切に残されていて、静かな時間が流れていました。
また、平成19年に放送されたドラマ『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』のロケ地としても使われたそうです。
源じいの森駅には、「源じいの森温泉」があります。
ちくまるキップの購入特典として、温泉の入場料が無料になるのもうれしいポイントです。
男湯と女湯は日によって入れ替わるそうで、内風呂と露天風呂の両方が楽しめます。
タオルも購入できるため、手ぶらでふらりと立ち寄れる気軽さも魅力です。
また、駅の近くにはキャンプ場もあり、自然の中でゆったり過ごせる環境が整っています。
さらに、地元の野菜や赤村牛を使ったフレンチが味わえるカフェレストラン「モクモク」もあります。
この日は、赤村牛をメインにしたデザート付きランチをいただきました。
沿線の景色を楽しみながら、地元ならではの味覚も堪能でき、心もお腹も満たされるひとときとなりました。
源じいの森駅から崎山駅までは、電車に乗って移動しました。
崎山駅には「日本一のぼろ駅舎」とも呼ばれ、外壁にはツタが絡まり、屋根には瓦が飛ばないようネットやブルーシートがかけられていて、今にも崩れそうにも見える独特の姿をしています。
老朽化を感じさせながらも、不思議と味わい深く、長い年月をこの地で見守ってきた駅ならではの風格があります。
待合室やホームは予想以上にきれいに管理されており、地域の方々に大切にされていることが伝わってきます。
崎山には、先日テレビでも紹介されていた崎山八幡神社があります。
この神社は、参道を線路が横切っており、鳥居の間を列車が通り抜ける珍しい風景で知られています。
神功皇后ゆかりの霊地として祀られたことに始まり、室町時代に現在の場所へ移されたという、長い歴史を持つ伝統ある神社です。
また、源じいの森駅方面へ少し歩くと、明治28年頃に造られた赤レンガ造りの架道橋を見ることができます。
時代を越えて残る建造物に触れると、この路線が歩んできた長い年月をあらためて感じます。
最後に立ち寄った犀川駅では、アンティークカフェ「Annola(アンノラ)」でコーヒーをいただき、ひと息ついてから帰路につきました。
落ち着いた店内で味わう一杯は、沿線を巡った一日の余韻をゆっくりと感じさせてくれます。
ちなみに、お隣の東犀川三四郎駅は、夏目漱石の小説『三四郎』にちなんで名付けられ、1993年に開業した駅です。
『三四郎』の主人公のモデルとされる小宮豊隆の出身地が、この駅の近くにあることに由来しているそうです。
平成筑豊鉄道の廃線時期はまだ決まっていませんが、沿線にはのどかな景色や歴史ある駅舎、魅力的な立ち寄りスポットがたくさんあります。
この美しい風景が残されているうちに、多くの方に電車に乗って、この沿線の魅力を味わっていただきたいと思います。